リノベーションはなぜ得なのか?改めて新築住宅と徹底比較|2022年度版
中古住宅を購入してリノベーションするか、真新しい新築住宅にするか、一戸建てを検討中の方は、どちらが希望の住まいを実現できるか知りたいのではないでしょうか。
また、コロナ共存時代では、人々の住宅の選び方やニーズに変化をもたらし、間取り、内装、設備、外装に至るまで住環境の変化は多岐に渡っています。
あなたも、コロナ共存時代だからこそ未来を見据えた間取り、非接触設備などを取り入れたいと思っていませんか?
しかし、価格を抑えて中古住宅を購入し、フルリノベーション工事をした方が得なのか、もしくは、全ての条件を取り入れた新築住宅を建築したり、建売住宅を購入した方が希望条件に近いのかという疑問が残りますよね。
そこで本記事では、
中古住宅+リノベーションと新築住宅の費用を比較
中古住宅+リノベーションと新築住宅の工期を比較
中古住宅+リノベーションの得する情報
新築住宅にしかない得する情報
が分かる構成になります。
まさに今あなたが悩みをかかえている「どっちが得なのか?」が解決できる記事になります。
最後までぜひお読みください。
1:中古住宅+リノベーションと新築住宅の費用を比較
空間工房匠屋の管轄エリアの富士市をモデルにした費用比較をしていきます。
富士市内の場所や土地面積、建物面積に差異はありますが、建物面積30坪で約2300万円前後が新築住宅の平均価格になります。
一方、中古住宅+リノベーションの場合、富士市内では築20年以内で1000万円以内の中古住宅も売りに出されており、平均的に1000万円前後になります。
フルリノベーションを空間工房匠屋で請け負った場合、プラスα700万円〜の価格が平均価格になります。
単純計算では中古住宅1000万円、リノベーション費用700万円と考えても2000万円以内になり、費用面では新築住宅より中古住宅+リノベーションに軍配が上がることがわかります。
中古住宅購入時は、仲介手数料や不動産取得料、登記料も別途かかりますが、契約時諸費用を考慮しても中古住宅+リノベーションが有利な結果になります。
2:中古住宅+リノベーションと新築住宅の工期を比較
中古住宅でも新築住宅でも工事が必要になるため、当たり前ですが工事中は住むことはできません。
リノベーションの場合は、どの程度リノベーションするかで仮住まいの不必要が分かれるため、工期の目安は気になるところでしょう。
では、中古住宅+リノベーションと新築住宅の工期をそれぞれ比較していきます。
2−1:中古住宅+リノベーションの工期
部分的なリノベーションであれば、工期1日で終わってしまう場合もありますが、フルリノベーションともなれば話は別です。
平均的な工期は3〜4ヶ月とされており、住宅の大きさや躯体の構造によって、工事が2ヶ月で完了するケースもあります。
2−2:新築住宅の工期|ハウスメーカーは3〜4ヶ月
新築住宅を建てる場合、土地探しから業者選びまでの期間も要するため、施工業者決定後、着工した段階からを工期として紹介します。
大手ハウスメーカーは建築に必要な資材や部材、設備を関連工場で生産しているため、資材の安定供給を見込むことができます。
また、工場で加工などを施した上で建築現場に運ぶため、現場での作業が短縮化され、比較的短い期間で建てることが可能になります。
2ー3:新築住宅の工期|工務店は4〜5ヶ月
地域に根付いている工務店は、大手ハウスメーカーと違い建材加工などは全て現場で作業することが多くなります。
大量に生産できる工場とは違い、大工さんの手で丁寧に作業を進めていくため工期が長めになることを念頭に置く必要があります。
2−4:新築住宅の工期|設計事務所は5〜6ヶ月
設計から間取りまで全てこだわりの詰まった住宅を建てられるのは設計事務所になりますが、規格品を使用しないことも多いため、間取りに合った内装や設備などを一から造る必要があります。
当然その分工期に影響がでるため、長い現場では1年以上かかることもあります。
3:中古住宅+リノベーションと新築住宅の税金を比較
毎年1月1日の時点で、土地や住居を所有していると、市町村に納めなければいけない税金が固定資産税になります。
固定資産税額は、所定の算定式に当てはめて計算され支払う税額が算出されます。
固定資産税額=課税標準額(評価額)×標準税率(1.4%)
※市町村によって標準税率は異なります。
上記の算定式を元に中古住宅+リノベーション、新築住宅に減額措置が当てはまれば軽減されます。
新築住宅は、減額1/2の措置が3年、長期優良住宅の場合は5年間受けることができるため、
固定資産税額=課税標準額(評価額)×標準税率(1.4%)×1/2
になります。
築後20年を経過すると資産価値は新築当時と比べ20%程度まで下落し、その後は緩やかに下降を続けていくため、当然固定資産税額も安くなります。
よって、築20年の中古住宅を購入し、リノベーションをしても新築当時まで固定資産税が跳ね上がることはないと考えるのが妥当でしょう。
とはいえ、構造を木造から鉄骨に変えたり、床面積を広げたりとリノベーションの内容によって評価額が上がることもあるため、施工会社に相談しながら進めていきましょう。
4:中古住宅+リノベーションのメリット4選
費用、工期、税金以外にも両者共にメリットやデメリットがあります。
それぞれの特徴を押さえ、あなたの条件と照らし合わせた上で、総合的に得になる住宅を選択しましょう。
中古住宅+リノベーションのメリットは次の4点になります。
- コストを抑えることができる
- 自分好みの間取りや設備に整えられる
- 立地選択の幅が広い
- 事前に地域環境を把握できる
4−1:コストを抑えることができる
1章で詳しい費用の比較は説明していますが、地域差も踏まえた上で、中古住宅+リノベーション費用の方が新築住宅よりも平均的に20〜30%程度抑えて購入することができます。
住宅は、築15年まで一気に資産価値が下落し、その後は下落の速度が緩やかになるのが特徴だと3章で説明しました。
したがって、築20年〜25年程の中古住宅は下落カーブが緩やかになることや、新耐震基準に準じている物件とされるため、リノベーション前提で購入するにはおすすめになります。
4−2:自分好みの間取りや設備に整えられる
家族構成や生活環境によって理想とする間取りや設備はガラリと変わり、求める条件は2つとして同じものはありません。
建売住宅などは同じ間取りで揃えられていることが多いため、こだわりの住空間を求めるようなら中古住宅とリノベーションがあなたの理想を実現できるでしょう。
4−3:立地選択の幅が広い
日本は国土が狭い上に70%が山地なため、数字だけで見ると住宅を建てられる土地は残りの30%になります。
駅近物件に新築住宅を建築するのは、なかなか難しく、駅から離れた場所に新築分譲地を売り出している看板をよく目にします。
一方で中古住宅は、駅近物件が売り出されることも多く、好立地住宅を手に入れられる可能性もあります。
4−4:事前に地域環境を把握できる
地域コミュニティーや地域環境は、既に出来上がっている街である中古住宅の方が事前に把握しやすいでしょう。
5:中古住宅+リノベーションのデメリット2選
同じように中古住宅+リノベーションにはデメリットも2点あるので紹介しましょう。
- 着工後に見積もりが上乗せされる可能性がある
- リフォームローンは金利が高い
5−1:着工後に見積もりが上乗せされる可能性がある
目を塞ぎたくなる内容ですが、現実にありえる話です。
内装や外壁、屋根など外側から目視で確認ができる箇所は現場調査時に見積もりに算出することができますが、スケルトン状態にしなければ分からない箇所が場合によってあり、追加工事の内容を上乗せされることもあります。
対処法として、躯体や配管などを含むリノベーションを希望する場合、打ち合わせ時に上乗せの可能性やどの位の費用を心得ておくべきなのかを施工会社へ確認することです。
5−2:リフォームローンは金利が高くなる
リノベーションは一旦先延ばしにし、ひとまず中古住宅に住むような方は、住宅購入時に組む住宅ローン、リノベーション時はリフォームローンと別々のローン契約が必要になります。
この場合、リフォームローンの金利は住宅ローンに比べて割高で設定されているため、総合的に見るとローンの金利が高くなってしまいます。
中古住宅購入時、住む前にリノベーションをするなら、一体型の住宅ローンを利用することもでき、住宅購入資金とリノベーション費用を合算した合計額を住宅ローンの金利で借りることができます。
6:新築住宅のメリット4選
次に新築住宅のメリットを解説しましょう。
メリットは4点あげられます。
- 間取りの自由度が高い
- 施工会社の保証が充実している
- 新築住宅は住宅ローンの金利が安い
- 現行の耐震基準に準じた建築
6−1:間取りの自由度が高い
新築には大きく分けて建売住宅と注文住宅の2種類があります。
建売住宅は、ある程度決まりきっている間取りで建てられるのが一般的で、注文住宅は一からあなたの希望を積み重ねて家を建てていくため、あなた好みの間取りや空間を建築できます。
6−2:施工会社の保証が充実している
引き渡し前にインスペクションでチェックするものの、住み始めてから不具合や不良に気づく場合も少なからずあります。
新築住宅には、売主や施工会社による瑕疵担保責任が10年間の保証期間で定められているため、この期間内に建物の主要部分に不具合が生じた場合は無償で保証を受けられるのです。
6−3:現行の耐震基準に準じた建築
自然災害が多い国でもある日本は、地震や災害で大規模な被害が生じるたびに建築の耐震基準を強化させてきました。
現行の耐震基準は2000年度に施行され、この基準に準じて建築した新築住宅は安心をもたらすでしょう。
7:新築住宅のデメリット2選
新築住宅のデメリットは次の2点になります。
- 建築費や土地代など取得するコストが高い
- 工期が延びる可能性がある
7−1:建築費や土地代など取得するコストが高い
新築住宅の最大のデメリットは建築費、土地代共に取得するコストが高くなることでしょう。
立地の良さや広い土地を求めればその分コストはかかり、さらにこだわりの詰まった建築要素を加えればさらに上乗せされます。
7−2:工期が延びる可能性もある
一から建築する新築住宅は通常時でも工期が延びることが発生します。
その上、現在は設備や資材の安定供給が見込めないこともあるため、2章で解説した工期より長めに考えた方がよいでしょう。
まとめ
費用や工期、税金など主要となる3つの要素で比較すると、中古住宅+リノベーションの方が得になることがわかりました。
さらに、新型コロナウィルスの影響から、建物に必要な設備や資材、部材の安定供給が見込めず、新築住宅は工期にも影響しているようです。
本記事を参考にしていただき、メリットデメリットを含め、どこに焦点を当て比較するかを考え、賢く住宅を購入し一生住み続けられる住まいを見つけましょう。